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見極めたい「メーカーダイレクト購入」と「販売店購入」の差
何か商品を購入する場合、購入ルートしてメーカーから直接買うというのと、代理店・取扱店から買うという選択肢があります。
たとえばPCを買う場合には、HPやDELL、もしくはPanasonicやNECサイトから直接買うのが良いか、Amazonや電器店から買うのが良いかで迷うことがあると思います。
両方に在庫があるのにもかかわらず電器店から買うとすれば、何を期待するでしょうか。
おそらくは、故障した時にすぐに相談・修理依頼できたり、電器屋独自に延長保証をつけることができたり、格安料金で設置や設定を依頼できたり、などの付加サービスに価値を見出しているからでしょう。
テレビ会議・WEB会議でも同様に、双方にメリット・デメリットがあります。
販売店購入のメリット・デメリット
テレビ会議システムを販売店から購入するメリット
- 自社の企業規模が小さく与信が十分でない場合には、売買契約基準が厳しいメーカーからは直接購入することができないことがあるが、販売店経ならば購入できる場合がある
- 導入前のアドバイスから、設置・設定・検証、導入後の問い合わせ対応など、有償・無償のサポートを受けられる
- サポートの対応が早いことが期待でき、地理的に近い販売店であれば、何かあった時に訪問対応してもらえることがある
- 顔見知りの販売店から買うことで安心感が得られる
- 契約更新のタイミングを忘れないように教えてくれるなどのきめ細やかなフォローが期待できる
- 販売店がマルチベンダーの場合、特定製品に不満が発生した時に他の製品を提案してもらえる
もちろん、「代理店制度」となっている製品は、特定代理店経由でしか買えない製品もあります。
その場合は、代理店の営業担当にはメーカーが教育したり情報発信するなどして製品知識・スキルを獲得させ、販売数によってインセンティブを与えるなどしてモチベーションを高めます。
テレビ会議システムを販売店から購入するデメリット
- 販売店が間に入っている分、購入価格が高い
- 代理店が「ソリューションを売っている」という認識が希薄で「箱売り」のようなつもりでいる場合は、まともなフォローがない
- スピーカーマイク、カメラなど、特にどこからでも安く買えるものであっても、代理店価格で買わないとフォローしてもらえない場合がある(メーカーに直接問い合わせるしかない)
- ほかの商材も勧められるなどの営業行為に合う(メリットとなる場合もある)
価格については、その分だけ上の「メリット」で記載したようなフォローを販売店に期待しているとすれば、決して高くないと思える程度なのではないでしょうか。
一方で、単に商流に入っているだけで何もしてくれない、何を聞いても「メーカーに直接聞いてください」などという態度の販売店であれば、ただの無駄なので購入経路を見直すべきです。
製品によっては、代理店制度がしっかりしており、一定の教育を受けた専任担当者を確保できる会社でないと扱うことができないものもあります。
また、きっちりとメーカーと代理店との間で「代理店契約書」が取り交わされ、そこに「エンドユーザーに対して導入や運用のフォローをし、問い合わせの窓口になること」といった使役内容が明確に定義されることもあります。
こういった製品であれば、代理店の当たり外れは少ないはずです。
もしダイレクト購入も可能な製品を販売店から購入するのであれば、販売店がどういったフォローをしてくれるのか、購入前にきちんと質問しておき、口約束でなく注文請書の備考欄に一筆メモしてもらうなどしてもらいましょう。
メーカーダイレクト購入のメリット
テレビ会議システム・WEB会議システムは、「機器」を買うというよりは「ソリューションを買う」というイメージが近いです。
つまり売る方からすれば、顧客フォローは導入前後に渡って内容も多岐に及ぶため、いくら高利益が確保できたとしても、メーカー自身の直販営業部隊だけで販売するには効率が悪すぎます。
つまりメーカー側としては、あくまで開発に専念し、販売店に拡売してもらったほうがはるかに効率が良いのです。
逆に言えば、導入する製品が使い慣れていて保守はメーカーサポートの範囲で十分、もしくは良い意味で「枯れた製品」であって特に大きなトラブルはないだろうという場合には、安く購入ができるダイレクト購入が一番良いわけです。
以下に記載するメリット・デメリットについてもそれが全てです。
テレビ会議システムをメーカーから直接購入するメリット
- 安い価格で購入出来る
- トラブルや緊急メンテナンスなどの情報が早く周知されることが期待出来る
- WEBカメラ・マイクスピーカなどの周辺機器はどこから買ってもデメリットを享受することがない(「メーカー推奨品」でさえあればサポートデスクレベルのアフターフォローはしてもらえる)
テレビ会議システムをメーカーから直接購入するデメリット
- メーカーサポートの窓口が混んでいる場合には他に相談できる相手がいない
- 営業・サポート部隊の人手が少なかったり地理的に遠方だったりすることが多く、トラブル発生時のオンサイト調査は期待できない
- 当然、自社製品が不利となる情報はもらえない。他社製品に乗り換える場合も自分で探し、乗り換えの手順などを自力で検討しないといけない
購入販路が及ぼすビジネスインパクト
テレビ会議をビジネスで欠かせないツールとして欠かさず使う必要がある場合には、使えないような事態を最小限にする必要があり、そのためには時としてメーカーサポートの範囲を超えて協力してくれるビジネスパートナーの存在が不可欠です。
これは遠隔会議ツールに限らない話ではあります。
しかし、ネットワーク・サーバーなどのミドルウェア製品群はなおのことですが、販売管理ツールやPOSレジソフトなどの業務アプリケーションと比較しても、テレビ会議専用機やWEB会議システムに対する「重要度」の意識の度合いが薄い気がします。
それは、使えなくても電話でなんとかなるとか、最低限の代替手段があるからかもしれません。
しかし、グローバル展開や社外パートナーとの協業における地理的距離の解消に加え、ビジネススピードを速めることが企業の生命線にもなる現在において多忙なメンバーを効率良く参加させ意思決定することの重要性も考えてみるべきです。
「テレビ会議が調子悪いので今回は電話で」といった妥協がいかに見えない損失を生んでいるか。
「テレビ会議」をビジネス戦略としてどう位置付けるか。
それ次第で購入販路(パートナー選び)に対する向き合い方が変わります。
ですので本記事は「ビジネスインパクト」カテゴリーとしました。